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三條かの記念館 NEWS

2023年12月20日

吉田一無にまつわる伝聞 (12/17)

上杉鷹山公との特別な関わり合いをもった剣の達人・吉田一無に光を当てたイベントが行われました。

三條かの記念館が主催し、米沢市剣道連盟が後援した「吉田一無にまつわる伝聞」には米沢の歴史に関心のある方やクラシック音楽好きが多数来場されました。

講演

吉田一無の子孫で米沢市出身の 星 省治 さん(神奈川県大和市在住)による「鷹山公時代の剣法達人 吉田一無」の講演があり、子孫ならではのエピソードが披露されました。

特に鷹山公の恩師・細井平洲先生の暗殺未遂事件は子孫には伝えられなかったことや、星さんの母親が藤沢周平の短編小説「一夢の敗北」を読んで、鷹山公からいただいた「思無邪」の書が追いはぎを成敗したときの褒美ではないことを推理されたお話には興味深いものがありました。

三條理事長の開会の挨拶と吉田一無にまつわるエピソードの紹介                

星さんによる吉田家の歴史や鷹山公と一無に対する思いを講演

星さんは「一無は暗殺を企てたにもかかわらず助命された」背景や「鷹山公は私を含め、多くの子孫に命を与えてくれた恩人」であることを感慨深く語られました。

ピアノ演奏

福田直樹さんのピアノ演奏で、鷹山公と一無が関わり合いのあった頃のクラシック音楽を楽しみました。

演奏の合間には米沢とウイーンの歴史談義があり、当時の世情の共通点や剣術とクラシック音楽の文化についてスライドを使いながら語り合いました。

【演奏曲】・W.F.バッハ「ソナタ第8番より」 ・ベートーヴェン「悲壮」ソナタより ・モーツァルト「トルコ行進曲」など

鷹山公時代の音楽の都ウイーンの歴史と作曲家たちのお話や、米沢の歴史と重ねてのディスカッション

居合

福嶌 仁 さんと 渡部重雄さんによる全日本剣道連盟制定居合から5本の形の演武があり、江戸時代に一無が極めた一刀流居合の修行ぶりを想像することができました。お二人の入場に合わせての福田さんの即興演奏は場を盛り上げてくれました。

演武の後に福田さんと福嶌さんの居合談義があり、福嶌さんから居合の持つ魅力や、居合は誰でも何時からでも始めることが出来ることの紹介がありました。

試し切り

渡部重雄 さんの試し切りがあり、巻きわらを真剣で切る姿に武士道の精神を感じ取ることが出来ました。吉田一無がよしつけ橋で追いはぎを一刀のもとに成敗したシーンの再現でもありました。

日本剣道形

三條祐介さんと梅津恒介さんにより、戦国時代から伝わる多くの流派の形から改編された全日本剣道連盟「太刀の形7本」の演武がありました。先生が弟子に伝える形の中にある極限の境地を体現してもらいました。

【出演者全員によるカーテンコール】来場された皆さんからたくさんの拍手をいただきました。